2024年4月に始まった「トラックドライバーの時間外労働の上限規制」は、物流業界に大きな影響を与え、引越し業界も例外ではありませんでした。
この繁忙期(2025年3月、4月)はドライバー不足と稼働時間の制限が重なり、例年同様「希望日に引越しできない」という声が多く寄せられました。
ただし、ここ数年の呼びかけにより、引越し時期は少しずつ分散しています。
また、人件費や燃料費の上昇により、各社は引越し料金の見直しを余儀なくされました。これを理由に過剰に値上げをしている事業者があったことも見逃せません。
さて、このような状況の中、業界トップ3の企業はどう対応しているのでしょうか?
各社の業績と戦略から、2025年の最新動向を見ていきます。
■業界のリーダー、サカイ引越センターは今年も増収
・サカイ引越センター ※1
1,210億2,300万円(2025年3月期)←1,167億9,700万円(2024年3月期)
・アート引越センター ※2
886億円(2024年9月期)←672億円(2023年9月期)
・アリさんマークの引越社
最新の売上は非公開。
※1 https://www.hikkoshi-sakai.co.jp/wppdf/2025/05/20250514_fre.pdf
※2 https://www.the0123.com/company/gyoseki.html
2025年、引越し業界のトップを走るサカイ引越センターは、売上1,210億円で前年比3.6%増と好調でした。作業件数は減ったものの、引越し料金の上昇や法人需要の取り込み(前年比108.2%)が要因として挙げられます。
また、着々と周辺領域に事業展開していることも見て取れます。リユース事業は売上6,833億円で前年比10.0%増でした。
一方、アート引越センターは2024年9月期に売上886億円を記録。2022年にヤマトホームコンビニエンスを連結子会社化し、業界内での競争力を高めています。
アリさんマークの引越社は最新の売上情報は非公開、環境変化に対応しながら新たなサービスを提供しています。
人口減少時代に突入し、引越し市場は微減傾向であると推測される中では
引越し各社がさらなる成長を遂げるには、以下の方法が考えられます。
・個人マーケットで他社のシェアを奪う
・オフィス移転など、法人需要を獲得する
・引越し単価の上昇
・引越しの周辺にある市場(例:リサイクル)
サカイ引越センターは、2025年4月30日は、株式会社ジモティーとの業務提携を発表しました。
「サカイ引越センター」×「ジモティー」業務提携を締結
https://jmty.co.jp/archives/22726/news_release/
圧倒的シェアで独走体制のサカイ引越センターが、どのような事業展開をするかは引き続き注目です。