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TOP > メディア向け情報 > 引越しランキング:引越しの多い月【データと傾向】
りんごりくんの引越し総研
Research Institute of Moving

■3月、4月がピーク。その他はあまり大差ない!
月別人口移動数とアップル引越し件数の推移

出典:アップル実績及び総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告」を元にアップル作成

多くの方がご存知だと思いますが、やはり3月がダントツで多くなります。その次は文句なく4月です。それらの月以外はあまり大差ありません。だからといって「3月に引っ越すのはやめよう」
とはなりませんよね?なぜならばそれには理由があるからです。
3月に引っ越さなければならない理由に当てはまらない方は<毎月の引越し日の傾向ページ>を見ていただけると良いと思います。

>関連リンク「引越しランキング:引越しの多い曜日【データと傾向】【1ヶ月データと傾向】」
3月はいわゆる年度末にあたり、大学入学、新入社員、転勤、学年の切り替わりがあります。また、新築マンションへの入居という事情もあります。

 

■3月に引越しが集中する理由って?
(1)大学入学:4月入学のため、どうしても4月の入学式まで(遅くとも授業開始まで)に引っ越す必要があります。
(2)新入社員:4月勤務開始のため、どうしても4月1日(または第1月曜日)までに引っ越す必要があります。
(3)転勤:年度末に新年度(4月1日付)の辞令が出ているため、4月1日(または第1月曜日。但し、引継ぎ等の理由で時期がずれることはあります)までに引っ越す必要があります。
(4)学年の切り替わり:年度の終業式(修了式)から4月の始業式までの区切りの良い時期に引越したいという意向が強くあり、その場合はいわゆる春休み期間中に引っ越すことになります。
(5)新築:新築マンションは3月引き渡しが多い傾向にあると言われており、購入者は引渡し後の早い時期に引越したいという意向が強くあります。
(6)賃貸:大学入学、新入社員時などに契約した賃貸で4月から入居の契約をした物件は更新月が3月になることから、更新を機に引っ越したいという意向が強くあります。

それぞれ以上のような事情があるため、3月下旬に引越しの需要が集中します。
詳しくは下記で解説していきます。

(1)大学入学
高校を卒業し、大学への入学のため、大学に通いやすい場所へ引越しをする人が多くなります。文部科学省の統計で近年では毎年約60万人が大学へ進学しています。その中には地方から都市圏へ引越して通う人も多くいると見られ、相応の引越し者数がいらっしゃいます。

大学入学数の推移

<引越し業者依存度:低い>
実際に実家から一人暮らしを始めるとなると、家具・家電は引っ越し先で買い揃える事が多く、荷物が極端に少ない傾向にあります(例:ダンボールだけなど)。そのため、自分や親が手伝ってくれて荷物を運ぶケースや赤帽と言われる軽貨物業者に依頼することもあり、引越し業者への依存度は低いと言えます。このように荷物量に対して引越し業者は割高になるため、専業引越し業者に頼まない傾向があることが想定されます。また、このケースで専業引越し業者に頼む場合、親が費用を払ってくれるケースが多いようです。

 

★豆知識orポイント
3月でも本当に忙しいのは限られた日にち。3月第3週末から月末までが本当に忙しく、中でも25日頃〜末日までが一番料金が高くなります。

(2)新入社員(新卒者)
文部科学省によると、大学・大学院・短大・高専の平成29年3月卒業者は約70万人でそのうち就職者数は約54万人いるとされています。現在住んでいる場所と勤務地が遠ければ引っ越しを考えなければなりません。地元企業に就職した場合等で引越しは必要ないケースがありますが、大手企業などに就職した場合、配属地の関係などで引っ越す人が多いことが想定されます。また、この場合、就職した会社で引越しを手配し費用は会社が支払うことがあるようです。

<引越業者依存度:高い>
就職の場合、スーツの購入などの就職の事前準備があり、大学入学と比較してより多くの事前準備が必要になります。それに伴い、引越しに対して割ける時間も限られてきます。また、就職となると直近で給料が発生することから、大学入学に比べて就職時の引越しについて専業引越し業者に依頼することが多くなるようです。なお、入社する会社が費用を払ってくれる場合、会社が指定する引越し業者に依頼するケースが多く、また、会社が指定する引越し業者は会社とも契約していることが多いため、3月下旬の引越が集中する時期であってもほぼ問題なく引っ越すことができます。

★豆知識orポイント
それなりの新入社員数がいる会社は引越し業者側に対する交渉力があるため3月中に引っ越せる確率が高いですが、人数が少ない場合や自分で引越し業者を探さなければならない場合は3月に引越すことができないことがあり、近年ではそのような事例が多く発生しています。

(3)転勤
人事異動が4月1日付で行われることが多く、3月下旬から4月上旬に転居を伴う転勤をする方が多くなります。もちろん7月、9月、10月も人事異動はありますが、4月付の人事異動は圧倒的に規模が大きくなります。これは、行政は3月末が年度末であり、民間企業の多くも同様であるという事情があります。

<引越業者依存度:高い>依頼引越し業者レベル:会社契約業者or引越し専業社
転居を伴う転勤の場合、会社が引っ越し費用を負担してくれるため、また、転勤に伴う一時的な業務過多(業務引き継ぎ等)を考慮して、会社が指定する引越し業者に依頼する場合が多くなります。また、会社もその指定引越し業者と契約していることが多いため、会社は引越し業者に対して交渉力があり、3月下旬から4月上旬の引越しの集中時期であってもほぼ問題なく引っ越すことができます。しかし、転勤者数が年間を通して多くない会社は引越し会社と契約していないこともあるため、自分で引越し業者を数社見積もりを取って会社に提出し承諾を経て依頼するケースがあります。

<引越し時期>
異動辞令が年間1回の場合・3月下旬から4月上旬がほとんどです。
異動辞令が年間2回の場合・3月下旬から4月上旬(4月付の異動)と9月下旬(10月付の異動)が多くなります。

(4)学年の切り替わり
引越しにより学区等の理由で子供に転校が伴ってしまう場合、学年途中で引っ越すよりも学校の年度初めに合わせて引越したいという方が多いです。また、小学校卒業や中学校卒業でのタイミングで引越したいという方も多くなります。

<引越し業者依存度:高い>
家族引越しになるため荷物が多くなります。そのため、家族だけでは対応できない(時間や資材、道具などの関係)ので引越し業者に頼まざるをえません。また、軽貨物業者や小規模引越会社はこれらへの対応が困難なため、必然的に頼める業者は限られてきます。
<引越し時期>
学年の切り替わりなので、終業式(修了式)から4月の始業式までのいわゆる春休み期間中が多くなります。

(5)新築
マンションなどの不動産を買う場合、3月引き渡しが多いと言われています。これは購入者側と販売者側の双方の事情が重なっているために起こります。購入者は、先に説明した学校の年度初めに合わせて引越したいことや住宅取得等資金の贈与に関する非課税制度の利用という理由から春に入居を希望する傾向にあります。一方で販売者が3月末の引渡しとする理由は、販売者の年度末に間に合わせたいという事情です。特に大手は3月決算が多く、3月末までに売上を計上したいという思惑があります。
(参考文献:新築マンション 3月引き渡し物件が多いわけhttp://living.rou5.biz/HowToSelectHouse/move_in_March.html)

<引越し業者依存度:高い>
家族引越しになるため荷物が多くなります。そのため、家族だけでは対応できない(時間や資材、道具などの関係)ので引越し業者に頼まざるをえません。また、新築マンションの場合は、混雑を避けるため引越幹事会社というものが存在します(新築マンションに限らず、引越幹事会社を置いているマンションはあります)。この場合、本来は混雑回避の目的であることから幹事会社に情報共有することを条件に他の引越し業者に頼むことは可能ですが、実際は混乱回避の要請により引越幹事会社に頼まざるをえない状況が多いです。

<引越し時期>
マンション引渡し直後から引っ越す方がほとんどです。新築マンションの引渡しが3月となれば、ほとんどの方は3月から4月にかけて引っ越すことになります。

★豆知識orポイント
新築マンションに入居するときは引越し日が抽選!?
例えば、300戸のマンションでエレベーターが2基の場合は、1日で引越しできる戸数は6戸程度、多くても10戸程度が限界です。つまり、1日に10戸引越しすることができても全ての方が引っ越しを完了するためには30日が掛かります。心理的には購入者の皆さまが「早く入りたい」と思われますが、全ての方が引渡当日に引っ越すことは不可能です。そのため、いつに引っ越せるかを抽選で決めることになります。

(6)賃貸
大学入学時、新入社員時などに借りた部屋は4月入居の契約が多く、そうなると契約更新月は3月です。そのため、「3月に引越したい」と考える方が多くなります。ただし、更新月にこだわらなければ自分で引越し時期を選択できるので、本来は3月に引越し理由はありません。

<引越し業者依存度:ケースバイケース>
1人暮らしで年齢層が低い場合は、自分、友達、親などの手伝ってもらうケースがあります。また、荷物量が少ない場合は軽貨物業者で頼めることもあります。比較的広い部屋(30㎡以上等)に住んでいるケースや時間がないケースは専業引越し業者に依頼するケースです。

 

■総括
3月に引越したくなくても3月に引越しをしなければならない!?
このように3月に引っ越しが集中してしまう現状を知ると「3月に引越したい」という気持ちはなくなるかもしれませんが、それでもやはり「3月に引越しをしなければならない」又は「どうしても3月に引越したい」となる理由があります。

引越し業者にもサービス供給のキャパシティ(人的なキャパシティ、サービス提供に必要なトラック等の物理的なキャパシティ)があるため、引越し需要が集中する3月は、需要と供給のバランスから引越料金が高額になります。また、引っ越しのご依頼を受けきれなかったり、無理して受けるためにサービス品質の低下が発生してしまったり、ということがあります。
3月については、引越し業者は引越しの需要に応えるだけでも精一杯であり、ピークである3月下旬に近くなればなるほどご依頼を断らざるをえないケースが続出します。また皆さまが気にする引越料金もどの業者も3月は高くなります。これは膨大な需要に対して一定のサービス品質を保つために許容いただきたい変動ですが、それでも同質のサービスを提供している通常月の2倍程度が限度だと考えます。しかし、残念ながら、3倍以上の金額を提示する引越し業者も存在します。
3月に引っ越さなければならない方は、とにかく早めに日程を決めて、早めに見積もりと依頼を行うことが必須です。それでも通常時期よりは高くなってしまいますが、その中でも納得のいくサービスと価格を提供する優良な引越し業者に頼めるように早め、早めに動いていくことが肝心です。